交響曲がどうしても苦手なのですが、初心者に分かりやすい曲はありますか?
そもそも私が何かを聴いていて、完全にその音楽を「分かった」と思うことはありません…が、これは好き、これはなんとなく好きじゃない、みたいなことはあります。
さて、解決方法ですが、とにかく片っ端からいろんな作曲家の交響曲を聴いてみてください。座って真面目に聴く必要はありません。移動中や作業中で構いません。ハイドンからショスタコーヴィッチ、それ以降まで、何でも交響曲と名のつくものを聴いてください。
そうしているうちに何かしら、これは他の交響曲に比べて好きかも、という曲が出てくるかもしれません。例えば同じベートーヴェンでも、私は8番より7番の方が好きです。なるべく一人の一作品に絞らず、色んな時代の、色んな人の交響曲を聴いてみてください。
そして、好きでも、聴きやすいでも、何かしらポジティブな気持ちになった曲があれば、何度も繰り返して聴いてみてください。初めて聴いた曲をその瞬間から理解するのは結構難しいことだと思います。(だからこそ、奏者は『如何にこの曲を知らない人でも納得するような演奏をするか』ということを頑張って考えて演奏するのですが) 繰り返し聴くうちに、少しずつ見えないことが見えてきたり、良さがわかってきたり、好きになったりします。それが、「分かる」に繋がるのだと私は思っています。
私も、全く訳の分からない現代曲を弾く時は、繰り返し音源を聴きます。そうしているうちに、なんとなく「こういうことか」と分かった気持ちになったりします。
最後に。村上春樹がスプートニクの恋人で以下のように書いています。
理解というものは、つねに誤解の総体に過ぎない
そもそもある交響曲を聴いていて「分かった」としても、その感触はいろいろな勘違いが積み重なっただけかもしれません。そう考えると、何をどう聴いてどう感じ、分かった気分になろうと、結局のところ本当に「分かる」ことはないのですし、自由に聴けば良いのだと思いますよ。