尊敬する作曲家がダメ人間だった時の、矛盾した気持ちはどうしたらいいのでしょう?
文豪がクズ人間でも「まあそんなもんか」と受け入れる人は多いように思いますが、相手が音楽家だとショックを受ける人が多い印象です。笑
作品が素晴らしいから人格も素晴らしい、なんて勝手に期待してはいけません。相手に多くを求めすぎると、自分が辛くなるだけです。芸術家に求められるのは徳の高さでは無くて、作品の良さなのですから。そして、一般人と感性がまるで違うから、物凄い作品が生まれたりするのです。そもそも、普通の人と同じものを見て、同じように感じている人が芸術家になれるとは私は思いませんしね。
私は、芸術を人類への贖罪だと考えています。人間って、醜いことをたくさんするじゃないですか。愛人作ったり、不倫したりもそうですが、人殺したり、戦争したり…同じ過ちを懲りずに何度も繰り返す、まるで希望の無い生き物です。だからこそ、どこかで誰かがスゴいものを作って、「人間まだまだ捨てたもんじゃないだろ!」と世に見せるのが芸術なのです。なので、倫理観0のクズ作曲家がいたとしても、「なるほど、この人は人として破綻しているとはいえ、これだけ素晴らしい作品を世に出している。これは彼/彼女なりの人類への贖罪なのかもしれない。」と考えてみてはいかがでしょうか。