いつも本番になると緊張してしまいます。余裕のある演奏をするにはどうしたら良いでしょうか?

わかります!!私は日本にいた頃によく「あなたの演奏は景色が見えない特急列車!」「紡績工場の機械!」などと言われていました。

さて、質問者様が本番で緊張して焦って速く弾いている時、鼓動も早くなっているのではないでしょうか。もしそうであれば解決策は、①鼓動が早くならないようにする(緊張をある程度コントロールする)、②鼓動が早くなっても演奏のスピードは速くならないように準備する、の2つがあると思います。

①ですが、私は良い緊張をしている時は、舞台上でも鼓動がとんでもない早さになっていない時が(私の場合)多いです。何の話?と思ったら、是非私が過去に書いたブログを読んでみてください。心臓バクバクで悪い緊張をしていると、身体が生きるか死ぬかみたいな状態なのでテンポも速くなります。早く終わらせて楽になりたい、と念じながら弾いている時ほど辛いものはないですよね。 リラックス方法などブログにまとめているので、参考になれば幸いです。

②ですが、これは幾つか方法があります。 まず、普段の練習の時に少し遅めのテンポでも弾いておきます。そして、普段のレッスンや練習を録音して自分で聴いたり、先生にアドバイスをもらうなどして、客観的に聴いても普段から途中で速くなったりしていないか確認してください。最初は良いテンポで始まっても、途中から突っ走ることもあるのでよく聴いてください。

そして、曲中の速くなりやすいところを見つけたら、理由を分析します。例えば、跳躍が多いところ、音価の短い音符が続くところ、その他技術的に難しいと感じるところは、弾いている時に不安で呼吸が浅くなり、速くなりやすいです。弾けるようになったと思っていても、過去に少しでも怖いな、と思ったところは無意識に走りやすいところです。しらみ潰しをするように、不安な箇所は念入りに練習します。難しいところは、テンポを気持ち1ミリだけでも遅くするだけで、余裕が生まれてミスも減り、突っ走ることも無くなる場合が多いです。

他にも、休符をちゃんと感じられていないと、休符の度に詰まった演奏になってしまうのでここも注意してチェックしてください。 普段の練習で遅めのテンポを取り入れる&突っ走るポイントをチェックして練習、これができたら、後は本番では遅めに弾き始めてください。普段の練習に取り入れた、少し遅めバージョンの演奏をするのです。 私も実際、舞台では普段に比べて遅めに弾き始めることが多いです。出だしから突っ走ると後で遅くするのは難しいと思います。遅めに弾き始めると、音も良く聴けるし頭の回転も追いつきます。

あとは、ブログでも書いたように、場数です。友人に聞いてもらうでも、発表会でも、とにかく場数を踏んでください。すると、大体このくらいの速さで始めると心臓バクバクでもテンポのコントロールができる、とだんだん感覚が分かってきます。 (とはいえ、ここまで到達するのに私は20数年かけているので…質問者様の苦しみ、よく分かります。積み重ねていくと、ある時フッとできるようになるので、根気強く、上に並べたことも取り入れながら、頑張ってくださいね!)

お茶代投げてくれる人!