楽譜に書いてあるペダルはどのくらい忠実にするべき?

わかります、みんながペダルを踏むラヴェルの鏡の蛾の出だし、フランソワは踏まずにドライに弾いているのにあんなに綺麗で、ビックリしたことを思い出しました。

ショパンの書いたペダルは、私はなるべく守るようにしています。とはいえ、使っている楽器が違うのでペダルをいつも忠実に守っていると、美しく聴こえない場合もあるでしょう。ベートーヴェンの熱情ソナタの3楽章の出だしは数小節ペダルを踏みっぱなしと書いてありますが、私は最近、適宜ペダルを抜いて音量を調節して弾きました。

ペダルは本来、演奏する場所の音響と楽器によってその時その時判断するべきものであると思います。なので、作曲家の記したペダルのサインは「なるべく忠実に」でも、時と場合によっては忠実に守らなくても良いのでは、と私は考えます。ドライな場所で弾く時には、音に丸みを持たせるために適宜ペダルを入れる場合もありますし、逆にウェットな響きの場所だと、入れないことで音を立たせたいな、と思うこともあります。当日会場に入ってから、またはお客さんの入りによって変わった音響に対応すべく演奏しながら、私は練習の時とペダルの入れ方を変えて弾くこともあります。

基本的には作曲家がペダルを書いた意図を探り、尊重しながら、あとは耳で判断、という姿勢で良いのではないでしょうか。ピアノは再現芸術ですが、ペダルに関しては最も即興性が試されると思います。