ソルフェージュや楽典の成績は良かったが、演奏は全然ダメでした。この二つの重要性は?
ソルフェージュも楽典も、そりゃ得意な方が良いですが、それで演奏が必ず良くなるわけではありません。演奏とそれら(言ってみれば座学)は、別のものです。座学が得意でも、それを演奏に落とし込む技術が無ければ仕方がないのです。恋愛経験や人生経験、ソルフェージュに楽典、、、と、演奏に影響を与えそうなものは挙げようと思えばいくらでも出てくるのですが、そもそも楽器を弾く技術が無ければ、それらの知識を活用することもできないわけで。演奏に関して一番大事なのは、経験でも知識でもなく、技術です。楽器をどう鳴らすか。どう体を使うか。それがないと、いくら頭の中ではいろいろなことがわかっていたり、アイディアがあったところで、それらを表現することができないわけで。
だからと言って、ソルフェージュや楽典が全く重要では無い、ということではありません。演奏の技術には、楽譜から多くの情報を読み取ることももちろん含まれています。ソルフェや楽典は、より多角的に音楽を考え、組み立てるのに必要な能力です。
天才やそれに準ずる子供・若い人を私は幼いころから見てきましたが、ソルフェや楽典が得意ではなくても、センスでどうにか弾けてしまう人もいることにはいます。ただ、凡人はそうとはいきません。なので、演奏技術を磨きながら、より楽譜からいろいろなことが読み取れるようになるために、ソルフェや楽典を勉強する必要があるのだと思っています。