ピアノを弾いている時、どうしても姿勢が前のめりになり肩上がってしまいます。サトミさんにも癖はありますか?
私も全く同じ癖があります!以下、改善すべく試した事です。
①背もたれのある椅子に深く腰掛けて、背中を完全に背もたれに付けて練習する。但し高さは普段の椅子の高さから変えないといけないはずです。深く座って背中をつけた時に弾きやすい高さに調整してください。背もたれから体が離れると、姿勢が前のめりになったり肩がぐるんぐるんしてしまうことに気がつくので、矯正できます。ただ、この練習を止めると私の場合は元に戻ってしまいました。高校生の時に先生から教わり、これで数日練習すると驚くほど姿勢が改善されました。
②頻繁に録画して、自分の弾いている姿を見て幻滅する。「うっわこんなに肩回してる私キモ!」と定期的に思うことにより、客観的に見てやはり直した方が良いと自分で感じ、普段から気をつけるようになりました。ただ、緊張して頭真っ白の時は自分を客観的に見る余裕が無いので難しいのですが。
③余裕そうに弾いているピアニストを見つけて、なりきってみる。最近だと、私はYoav Levanonさんのショパンの協奏曲の動画を見た時に、彼の貴公子的な雰囲気に感動して「よし私もこの姿勢を真似しよう!」と思いながら弾いてみました。弾きながら心の中で「私はYoav君…余裕で美しい音で弾けちゃう…」と念仏のように唱えていました。この方法を試した最近の演奏会では、結構姿勢が良かった方だと思います。体を引くと視界が広がり、音もなんだかよく聴こえてくる感じがしました。こっちの方が弾きやすいかも、と思いました。前のめりにならない姿勢で弾くことのメリットを実感できると、普段の練習からいい姿勢を積極的に取り入れよう、となるかもしれません。
④姿勢を前のめりにしないと、肩を動かさないと音楽的に弾けないのではないか、という精神的な枷がある場合もあるかもしれません。 美しい姿勢で肩をぐるぐると使わなくても、思ったような音が出せることを、以上の練習を通して認識してください(私の場合は高校の時の先生に「ほら!体変に回さなくてもいい音出てるよ!」と言われ、「体の動きを止めることにより、音楽的な音が出ないことへの恐怖」が少し薄れました。) 「体を無駄に使わなくても弾ける」という成功体験を少しずつ積み重ねていくと、私の場合ですが多少姿勢がマシになりました。 院の時の先生は「君は、曲が完全に君のものになると、無駄に動くのを止めるみたい」と言っていました。音楽しなきゃ!という強制感が抜け、自然に身体の底から音楽が湧いてくる状態まで持っていくことも、精神的余裕に繋がるのかもしれません。 質問者様も、どうして前のめりになってしまうのか、精神的なものに由来するかどうか、一度考えてみるのも良いかもしれません。
⑤あとは、女性の方でしたらオフショルダーの服を着ると物理的に動きが制限されるので、肩を無駄に使う癖に気が付きやすくなるかもしれません。オフショルでベートーヴェンを弾いたら姿勢がとても良くなり、先生にも褒められました。笑 但し、服のせいで物理的に弾けない曲などもあるでしょうし、変な体の使い方を覚えてしまい体を痛める可能性もあるので、正直あまりオススメできる方法ではありませんが… 多少動いてしまうのは仕方がないし、銅像のように全く動かない人に比べて余程音楽的、と私の先生は言っています。私は本当に弾いている時の姿勢が酷いので、人にアドバイスできる立場では本来無いのですが…😣少しでもお役に立てていれば幸いです。